わたしはソロ写真が好きだったりします。
ポートレートを頼まれて撮影したとかではなく、
自然な表情の日常を切り取った、ソロ写真です。
わたし、ある時思ったんです。
その人のパソコンやスマホの中にいちばん多くあるソロ写真の相手が、
その人のいちばん好きな人なんだろうなと。
それは夫婦や恋人や友達や親子や。
対象は様々です。
だから、ソロ写真を見ると、
そこには決して写ることのない、それを撮影したひとの気持ちが
なんとなく伝わって来る気がして幸せな気持ちになるのです。
プロとかアマチュアとか写真が好きだとか好きじゃないとか。
関係なく共通すること。
ひとは、愛しいそのひとに、自然とカメラを向けてしまうものだと思う。
数年前のある日のこと。
当時付き合っていた彼が、数日前に行った旅行の写メを
わたしに見せてくれていました。
すると唐突に女の子がソロで写る写メが続きました。
彼のなんとなくの「やばっ」を感じたと同時に、
スマホの画面をスワイプするその指先の速度は
心なしか早くなっていることも感じました。笑
その旅行は男女含めて数人でのものだったから、
女の子が写っていても不思議ではありません。
けれど、わたしよりも何倍もかわいいその女の子のソロ写真を見たからか、
なんとなくわたしは複雑な心境になりました。
これを世間は嫉妬と呼ぶのだろうけど、
そんな簡単な言葉じゃ表せられないくらい、悲しい気持ちになりました。
彼のスマホの中には、わたし以外の女の子が
わたし以上に存在しているだろうと感じたからです。
だって彼はあまりわたしにカメラを向けることがなかったから。
ただただ愛情を欲してた、あの頃。
そんな稚拙な想いが、その先で誰かを傷つけてしまうんだなぁ。
大人にならなくては。
だけどやっぱり、誰かの『どうしようもなく愛しいひと』になりたい、
そんな風に願う今日このごろです。